タリーズコーヒー

タリーズコーヒーに来ている。私は、この若者文化であるインスタグラムで、頻繁に画像をあげられがちな、タリーズや、スタバといった類いのコーヒー屋には、あまりそぐわないほど洗練されていない人間なのであるが、それでも、喫茶店の雑踏というか、様々な人間を、一度に鍋に入れてごった煮にしたような店内の猥雑さが、私にはたまらなく文化を感じられる場であるように、思われるのだった。

 カフェインが喉を通って頭に染み渡る。コーヒーの苦味が、そのまま自分の脳を覚醒させてくれるように感じる。カフェイン中毒という言葉がある通り、カフェインはある種の、麻薬なのに違いない。店内の雑音を聞きながらカフェインを摂取する。ある意味喫茶店からは、BARと同じ酩酊感のようなものを与えられる気がする。

 アルバイトまであと一時間。就活を終えてから、はじめてのアルバイトである。店長は元気だろうか。アルバイト開始の1時間前はいつもこの調子である。私はカフェインを呑みながら、喫茶店でアルバイトのための英気を養うのである。


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